公開講座「翻訳の愉しみ」

渋谷のTSUTAYAシアターへ。放送大学公開講座で、柴田元幸先生による「翻訳の愉しみ」を聴講する。まずウィンザー・マッケイの手描きアニメの上映があり、「リトル・ニモ」など、20世紀初頭のマンガの紹介。それからオースターの『幽霊たち』を、著者と柴田先生のバイリンガル朗読で聴いてみたり、ビートルズボブ・ディランの歌を聴きながら同時通訳的に歌詞の訳を聴いたり……と、映画館という会場の特性がよく生かされており、ノリノリで面白い講演でした。

幽霊たち (新潮文庫)

幽霊たち (新潮文庫)

なぜ『メイン&ディクン』は『メイソン&ディクソン』ではないのか? それは明治期の「訳語やカタカナ表記が定まっていない」感じを出したかったから、とのこと。奥が深い!先日J-Litの講演でも話題に上った、ダニイル・ハルムスの掌編も朗読されました。ナンセンスの極北というか。アバンギャルドな感じ。
ハルムスの世界

ハルムスの世界

J. Robert Lennonの短編集。翻訳実習に使いやすいので、邦訳は出してません(笑)、とのこと。
Pieces For The Left Hand

Pieces For The Left Hand