チェロ弓の毛替え
先日、渋谷の楽器店で毛替えをお願いしてきた。都内には弦楽器の有名店がいろいろあるけど、アマチュアにとって敷居が高いというか、はっきりいって接客に難がある……。いつもイヤーな気持ちですごすご帰ってくることが多かった。やっと、親切な対応でフツーにお買い物できる弦楽器店にめぐりあえました。
こちらです→ マリオルッチ |
- アーティスト: 2チェロズ
- 出版社/メーカー: SMJ
- 発売日: 2011/09/21
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チェロは音質がもっさりしているせいか、アップテンポな曲をやると、どうしてもカッコよく決まれない面があるのかも?
神童が世に出るとき
日本音楽コンクールのチェロ部門本選に誘ってもらい、迷ったすえ思いきって行ってきました。なかなか一般人には聴く機会もないものだし……。チェロ部門は、3年に1回しか開催されないとのこと。以前に八王子のカサド・コンクールをのぞきに行ったことがあるけど、まだ1次予選だったので、本選で本格的にコンチェルトを聴くのは初めてです。
前回のカサド・コンクールで奨励賞を受賞したという、岡本侑也くんがラストの奏者として登場。それまでの3名も難曲を表現力ゆたかに演奏していた……と思ったのに、岡本くんの安定したテクニックとずば抜けた音楽性に、すべてかっさらわれていき、会場は異様なまでの熱気に包まれたのでした。まだ高校生。やー、天才ってすごいものですね。のびやかで美しい、きらきらしたハイドンを聴かせていただき、魂が宙に浮くような思いを味わいました。彼にはぜひ、名演奏家として世界に羽ばたいていってほしいです!
横浜トリエンナーレ 2011
現代アートの国際展、今年で10年めを迎える横浜トリエンナーレに、はじめて行ってみました。以前は、現代アートに対して「たいくつー」「意味わかんない」的なイメージしか持っていなかった……。でも、旅先で訪ねたビルバオのグッゲンハイム美術館や、金沢21世紀美術館がとても楽しかったので、最近ではわりと苦手意識が薄れてきた。一種のテーマパーク?みたいな気分で、楽しめるようになりました。
今回の展示では、次の3つの要素を満たしているものがよかったです。
その1、動きがある。(または、観客が自由に動かせる)
その2、空間を感じられる。
その3、五感を惑わせる。(世界の見方をひっくり返すような、ちょっとした驚きを与えてくれる)
アートで町おこし的な最近のブームについては、何となく思うところもあるのですが。だって、アートって、秩序を破壊するものなのに。それが公共事業になるってのが、ねえ。でも、接点のなかった人と人をつなぐ契機なのかもしれず。思いがけない動きが生まれ、固定されていた場がシャッフルされる。そしたらやっぱ何かが乱れて、破壊されることになるんだろう。それはそれで、いいことのような気がする。
『サヴァイヴィング・ライフ』
ヤン・シュヴァンクマイエル監督の新作は、シュールな切り絵アニメ(ときどき実写)で、夢の世界と現実を行き来する主人公の奇妙な「自分探し」がテーマになっている。ストーリーらしきものがあり、きちんと謎解きが進んでいくので、この監督の作品のなかでは、ずいぶんわかりやすいほうかも?
70代なかばを過ぎても、シュヴァンクマイエルの妄想力は衰えを見せず、人をくった表現にも磨きがかかっている……。監督、いつまでもお達者で、奥様のエヴァさんのぶんも長生きなさってくださいね〜。と、心の中で祈った私なのでした。
メルニコフのショスタコーヴィチ
- アーティスト: アレクサンドル・メルニコフ,ショスタコーヴィチ,アレクサンドル・メルニコフ(Pf)
- 出版社/メーカー: HARMONIA MUNDI,FRANCE
- 発売日: 2010/11/01
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メルニコフの演奏は抑制が効いており、超絶技巧をそれと感じさせない。知的で洗練された、現代の模範的なクラシック演奏、という感じで、好きなピアニストのひとりです。ロシア出身ですが、近年はずっとベルリンを拠点に活動している模様。
難民という生き方
- 作者: ジョナス・メカス,飯村昭子
- 出版社/メーカー: みすず書房
- 発売日: 2011/06/22
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メカスの感覚って本当に現代的。大戦期の混乱を生き延びたこの人は、世紀をまたぎ、自分のサイトでビデオ日記を更新するお爺ちゃんになっています。若かった頃と、やってることは基本的に変わってないんだなー。本質は「詩人」なのでしょう。居場所のない者が、外側から世界を眺めるとき、すぐれた詩が生まれてくるんだと思います。
- 作者: 大野更紗
- 出版社/メーカー: ポプラ社
- 発売日: 2011/06/15
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語り口があまりに面白すぎて、あれ?これってホントは深刻な話だったよね……と、途中で我に返ることしばしば。
『この世の涯てまで、よろしく』
- 作者: フレドゥン・キアンプール,酒寄進一
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2011/05/11
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という感じでストーリー展開はとても面白いのですが、新人作家なので描写はけっこうぎこちなく、登場人物も多くて冒頭あたり混乱しました。でもちょっぴり初期のファンタジーノベル大賞の作品(あ、日本の賞ですよ)たちと似た雰囲気で、なつかしーー、こういうの好きだった!とワクワクしながら読めた。音大生たちのドタバタ劇なので、「のだめ」の二ノ宮さんに表紙描いてもらえば絶対売れるのに……などと思ってしまった私。この表紙もオシャレで可愛いんですけどね。