『エッセンシャル・キリング』

ポーランドの鬼才、イエジー・スコリモフスキ監督の最新作。荒漠とした谷間で3人のアメリカ兵を殺し、捕虜となったイスラム系の男が、移送中に雪山で事故にあい、からくも脱出。生き延びるためにひたすら逃げる、逃げる……。人間の業の深さや、飢えとの闘いなど、かなり哲学的な問いかけを、エンタメの手法でぐいぐい見せていく。老監督の手腕(かなりの豪腕!)に脱帽です。
主演のヴィンセント・ギャロも相変わらずの存在感でした。おどおどしてて自己チューな役柄が、最高にはまってる!(ギャロとスコリモフスキは『Go!Go! L.A.』で共演しているらしい。なつかしくも愛らしいダメ映画……)