『スプリング・フィーバー』

現代中国の南京を舞台に、ゲイの青年をめぐる男女の三角関係をオフビートで描いた(いかにもミニシアターらしい)青春映画でした。出てくる人たちみんな、色気があってよかった。職業俳優の洗練されて整った美しさとは違う種類の、生命力そのものが醸し出す魅力というか……。引用されている戦前の作家の文章もよかったです。
今年はいくつかの国の青春映画を見比べることができ、どれも面白かった。閉塞感や生きづらさに直面した若者たちの息吹が生々しく感じられ、強い印象を残しました。『ソフィアの夜明け』(ブルガリア)、『ペルシャ猫を誰も知らない』(イラン)、『ケンタとジュンとカヨちゃんの国』(日本)なんかも良かったです。あとはメキシコの不法移民を描いた『闇の列車、光の旅』も観たかったんだけど……これは年明けにギンレイで。