ヒップとは?

タワレコ渋谷店の「ヒップ〜アメリカにおけるかっこよさの系譜学」刊行記念イベントに行って来ました。佐藤良明さんと宮沢章夫さんの対談。のーんびりと始まり、宮沢さんの編集によるヒップ映像の数々(『イージーライダー』『ビデオドローム』とか、ベルベットアンダーグラウンドとか)を楽しみつつ、ピンチョン作品集への期待と新潮社礼賛(?)の話題など、のーんびりと終わりました。

イベント前に試聴してたくるりの新譜で、「さよならアメリカ」にハマった。すごい!この歌詞、よく書けるなあ、と唸らされた。何気なく歌ってのけちゃうのがやっぱすごい。そのあと続けてアメリカのポップカルチャーがらみの話を聞いただけに、よけい胸に迫ってきた。
ヒップ アメリカにおけるかっこよさの系譜学 (P‐Vine BOOKs)

ヒップ アメリカにおけるかっこよさの系譜学 (P‐Vine BOOKs)

イベントでの宮沢さんのお話で、文化が海の向こうから日本に渡来すると、なぜかズレが生じてしまう、という指摘が印象に残った。アメリカで「ヒップ」(かっこいいもの)が盛りあがった時、もとはストリートで身体の内側から生まれてくるリズムとか、マイノリティたちが社会の抑圧を跳ね返すための力とか、必然的な欲求にもとづく「かっこよさ」だったはずなのに……それが日本にやってくると「ストリート・ダンス教室」というような、なんだか矛盾をはらんだ、表面的な「かっこよさ」に変容している、と。
これってすごく面白い。「型」を重視する日本文化の傾向と、深いところでつながってる?と感じた。