『メイスン&ディクスン』
トマス・ピンチョン全小説 メイスン&ディクスン(上) (Thomas Pynchon Complete Collection)
- 作者: トマス・ピンチョン,柴田元幸
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2010/06/30
- メディア: 単行本
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トマス・ピンチョン全小説 メイスン&ディクスン(下) (Thomas Pynchon Complete Collection)
- 作者: トマス・ピンチョン,柴田元幸
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2010/06/30
- メディア: 単行本
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あと主役のメイスン&ディクスンをはじめ、キャラクターが魅力的だったりヤバめだったり、チョイ役の人もふくめて、みんな生き生きしてる。お気に入りが何人もいるんですが、双子とテネブレーとか、フランスから来た料理人(と鴨)とか、一度読んだら忘れられないインパクト。ていうか、時計とか鴨とか喋ってるからね。フツーに。
そのうちメイスン&ディクスンが、弥次さん喜多さんみたいに思えてきて……そしたらフランクリン博士は平賀源内?とか……。パワフルで猥雑な雰囲気が、江戸の戯作とも通じてる気がしてきて、なんだか面白かったです。そう、ピンチョンの世界には、本邦の近代文学が捨て去ってしまった、洒落や諧謔の精神が、あざやかに息づいてるみたいなのです。
なんだ、文学って、やっぱこっちじゃん?という明るい気持ちで読むことができて、よかったです。