ドラマ「ハゲタカ」再見(5)

第5話ホワイトナイト
電機メーカーの経営権をめぐるTOB合戦。メディアへの露出を増やして世論をあおり、「虚業」と侮られながらも、あっけらかんと拝金主義をつらぬく若手社長・西野の姿は、ライブドア事件を連想させる。彼の真の狙いはどこにあるのか。セリフではわりと「人情」に訴えるようなことを言いつつ、態度が空々しい。本人が自分の言葉をまったく信じていない。父を殺された復讐かというと、そうでもなさそうで……。カネに人生を操られるくらいなら、自分のほうから操ってやる!と、やけっぱちな勝負に出ている感じでしょうか。鷲津のやり方を表面だけなぞることにより、鷲津に対して強烈なアンチテーゼを突きつけた、とも言えるかもしれません。
第5話では、一枚岩だった鷲津チームに亀裂が走り、破滅がひたひたと迫ってくる感じが面白かった。アランや村田が裏切っても、ひっそりと鷲津に寄り添う中延さんの存在がしみるー。ラストに西野と鷲津の直接対決となり、札束が宙を舞い(ダニー・ボイルっぽいね)、銃声がひびく。ここで1話の冒頭と繋がる。