「ファウストの悲劇」

シアターコクーンにて観劇。いかにも翻訳劇ぽいセリフに、ところどころ狂言や世話物ふうの味付けがしてあった。16世紀に成立した英国の古典劇だそう。ゲーテファウストと大枠は一緒だけど、設定が微妙に違ってる。若返りや恋愛は出てこない。教会や騎士国家への風刺の要素が強いと感じた。
役者さんたちは、みんな抑制がきいて「いぶし銀」の輝き。危なげなく、円熟の芝居だった。欲を言えば、もっと対話の場面が欲しかったかなあ。一人ずつは光っていても、「からみ」が少なくてちょっと物足りなかった。