二月大歌舞伎

夜の部を幕見で拝見。「壺坂霊験記」は前半がとにかく暗くて長い。現代人じゃもうこの 遅  い 進み方には耐えられんーーと思ったほど。昔は夫婦の情愛とか、座頭の仕草とかが見所だったのでしょうか。歌舞伎座の舞台が広すぎて空間が余ってしまう。でも後半、沢市(三津五郎)の目が開いてからは、透き通るような美しい所作事。踊りっぽいとこも堪能した。妻は福助。しっとりしてて、細やかな手の表情にぐっとくる。

「高坏」は勘三郎の人気がものすごく、何をやってもウケている。背中をぐいーんとそらしてみたり、手や足をへんな向きにヒョイッと伸ばしてみたり。そんな小技すらも大ウケさ……。愛嬌がこぼれるようで、この人を越える「高坏」は当分なさそうーと感じました。大名が弥十郎、太郎冠者?がカメゾーさん、高足売りは橋之助(騙してもスーッとさわやか。のどごしのよい芝居……)と、脇役陣のバランスもかんぺきだった!