錦秋文楽公演

お昼の新幹線で大阪へ。文楽を、はじめて国立文楽劇場で拝見。広い!と驚く。客席もゆったり。国立小劇場だとたいてい満席で、人いきれで蒸し暑く、息づまるような濃密な文楽ワールドが繰り広げられるのでしたが……。本場だったはずの大阪では空席もめだち、文楽はもう大衆の芸能ではない、という事実を見せつけられた気がしました。
「娘景清」と「河原の達引」の二本立て。どちらも初見でした。景清ものを観てもあまり心弾まないことが多く、たいてい寝てしまう。物語性がうすいから? 中世説話に近いようなプリミティブな感じが……うーん、眠い。「河原の達引」のほうは、ぐっと近世ぽくなって、登場人物の性格づけもセリフもわかりやすい。事件が立て続けに起こるから飽きないし。三味線の稽古の場面が入れ込んであり、音曲も華やかな印象だった。