2010-08-12 『賜物』 読書 賜物 (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集2)作者: ウラジーミル・ナボコフ,沼野充義出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2010/04/22メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 74回この商品を含むブログ (22件) を見るナボコフ先生のロシア語時代さいごの長編。マニアックなロシア文学ネタや、多言語を自在に行き来する言葉遊びが散りばめられている。文体も凝っていて、語り手の人称がころころ変わる。とても難解だけど、詩的で映像的で音楽的なイメージの乱舞が、心地よく響いてくる場面がいくつもある。言葉でここまで構築できるんだ!という驚き。(しかし4章は先生、やっぱやりすぎでしょー) 「賜物」とは文才を意味するのかもしれないし、この小説そのものが未来の読者たちへの賜物なのだ、という著者の自負であるかもしれない。