入江敦彦『イケズ花咲く古典文学』

イケズ花咲く古典文学

イケズ花咲く古典文学

『イケズの構造』に出てくるイケズ語訳「ハムレット」とか「源氏物語」がサイコーだったので、もっと読みたいー!と思い、楽しみにしていました。キム・ヨナとマオちゃんの例を引くまでもなく、やはり女子対決は盛りあがる!ということで、清少納言vs紫式部の直接対決が面白かったです。本人たちも楽しんでやっていたのかな、という気がしてきた……。相手にとって不足ナシ、みたいな。
金閣寺」における三島vs水上勉の対決も面白く、近代以降に京都の(お寺の)イメージを支えてきたのは、実は京都人ではない、という指摘には、そういやローマ教会のトップだってローマ出身じゃないぞー?というような、歴史を積み重ねて「都市」が権威をもったり、意味づけされてしまうことの、ジレンマを感じさせられました。舞妓さんだって、最近では京都出身ではないものね……。実はそれって都市に限った話じゃなくて、西洋音楽やバレエの担い手にアジア人が増えていくとか、他の分野にも通じているのかもしれません。