「ジョセフ・クーデルカ プラハ1968」写真展

恵比寿の写真美術館にて。チェコスロヴァキア出身の写真家・クーデルカによる、チェコ事件(「プラハの春」弾圧)の生々しいドキュメント。これらの写真は、去年観たチェコ関連の舞台(ストッパード脚本の『ロックンロール』)でも使われていました。旧共産圏の民主化運動が武力で押さえ込まれた、冷戦を象徴する事件のひとつです。
20世紀には「歴史の目撃者」という視点から、躍動感あふれる傑作写真がたくさん生まれていますが(ブレッソンとか)、このクーデルカの一連の写真には、「歴史の当事者」がシャッターを切った時の、押し殺した激情、かわいた諦観……などが封じ込められていて、そこに冴え冴えとした静謐さが漂い、見る者の胸をうちます。
今や、世界中の「事件な瞬間」は、ウェブ上の動画でいつでも何回でも再生できるわけですが……モノクロで静止した一瞬の、視覚に訴えかける力は、やっぱりすごい。写真の威力をあらためて感じた展覧会でした。
そういや、帰りにミュージアムショップで、ばったりABC翻訳教室のKさんに会ったんでした。あれはびっくりしたなー。その後、水道橋で翻訳教室のうちあげにも参加して、もぐもぐ食べつつ、ひたすらオタクな話をしていたような記憶が(マンガとか映画とか)。ていうか翻訳の話は……?

ジョセフ・クーデルカ プラハ侵攻 1968

ジョセフ・クーデルカ プラハ侵攻 1968