『話の終わり』

話の終わり

話の終わり

去年のオリオン書房でのイベントで、「ポール・オースターの(超イジワルな)最初の妻」と都甲先生が(妙にしみじみと)紹介していたリディア・デイヴィスの処女長編、なにげなく読みだしたらすごいおもしろかった。記憶をテーマにした実験的な文体ではあるのですが、そういう前衛ぽさがちっとも難しくない。読みやすい。ほとんど一気読みでした。
すました顔でトボケたことを言う人のヘタレな恋愛事情、その赤裸々なつぶやき。えー、ちょっとこの人やばくない?と引きつつも、あ、でもなんか可愛いな……と思えてくるから不思議です。
インテリ女34歳、シゴトはそれなり順調だけど、ひとまわり年下のカレとの恋に破れ、「このまま一生ひとりだったらどうしよう」と孤独な将来におびえる……わー、とても他人事とは思えない!周りを見回すとそんな女子がうようよ……