『身体のいいなり』

身体のいいなり

身体のいいなり

新聞の読書欄で見かけて即・予約を入れたのですが、図書館ではちっとも順番が回ってこない。めずらしくハードカバーを買いました。
職業はフリーランス、既婚・子どもなしの30代で乳ガンに罹ったら……という状況を生々しくリポートした闘病記です。
本に囲まれて、言葉や理性を大事にして生きてきたけれど、身体の存在を無視していたら、いつか身体に復讐されることもある。そう言われると、活字大好き・運動キライな者としては、ホントそうですねー、わかります!って実感もあり、読んでてけっこう身につまされました。
ふだん誰もが「何か」ありそうと感じていても、見ないふりして通りすぎてしまう「暗がり」に、グイグイ踏み込んでいって、その隠されていた「何か」を「明るみ」に引きずり出す。ルポライターとしてのウチザワさんの才能を、あらためて感じる一冊でした。
世界屠畜紀行

世界屠畜紀行

『世界屠畜紀行』と『センセイの書斎』も、すごく面白いです!