ミラン・クンデラ『不滅』

不滅 (集英社文庫)

不滅 (集英社文庫)

愛の消えた家族関係、虚実入り乱れる作家の名声、恋愛遍歴など……人生をいろどる悲喜劇の断片が、小説技巧を凝らして、ペーソスたっぷりに描かれている。作者が老いを意識したせいか、鼻につく色男っぷりもまあまあ自嘲的で、メロドラマ部分も少なめになってて『存軽』より断然読みやすかったです。「父の娘」である女主人公アニェスのイメージが美しくて好き。
存在の耐えられない軽さ (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 1-3)

存在の耐えられない軽さ (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 1-3)