三月大歌舞伎

今月なぜか三部制の歌舞伎座。この建物ももう残り二ヶ月とあって、場内はごった返していた。改築騒動には、はっきり言ってうんざり……。こういう「商売」のやり方を続けてたら、昔ながらのファンは離れていくんじゃないか?とさえ思う。
愚痴はおいといて、めあては菅原伝授の「道明寺」。玉三郎の覚寿が観たくて行ってみた。老け役では思いきって身体が使えないため、おもに声とせりふで人物を表現していたみたい。懐の深さや、芯の強さ。覚寿は合理精神にのっとって行動する人なので、現代人にも理解しやすい人物像だ。仁左衛門の菅丞相は、以前観た時より力みが消えてた印象。聖人としてただそこに「在る」という透明さがとてもよかった。