『火葬人』

毎月開催されてるチェコセンター主催の映画鑑賞会。今月の映画は、'68年に完成したものの'90年までお蔵入りになっていたという、いわくつきの作品。きまじめな火葬場の主任が、ドイツ占領下で狂気へと陥っていく様子を、モノクロの映像で淡々と描いてます。全体主義を告発する、というテーマもちょっと似てるし、チェコ版『華氏451度』という感じかな。
今見てもスタイリッシュなアート系の映像、全編を支配している皮肉なユーモアなど、破綻のない端正な映画で楽しめました。棺桶のクギがきゅぽっ!と抜ける音がたまんないよー……。お茶目でブラックな、いかにもチェコっぽい感性をたっぷり味わうことができて、大満足。(でも英語字幕だからセリフは全然わからないとこもありました。抽象的な話はとくに単語が難しくて!)