谷崎潤一郎『細雪』

細雪(上) (新潮文庫)

細雪(上) (新潮文庫)

去年の夏ごろから読もう読もうと思いつつ、やっと手を付けた『細雪』。とても面白くて堪能した。うねうねと続く日本語ならではの文体。やみつきになる。いつまでも読んでいたくなる。絢爛たる絵巻のような小説でした。著者の愛した阪神間の、ある時代の、「家庭」という小宇宙が、ひとつの円環に閉じこめられたかのように、今も息づいている。
女達がしょっちゅう病気してるのが面白い。病は「身体」を意識させる。どこの部位が病んでいるのか、もっと気を配りながら読めばよかった。