『ゴンチャローフ日本渡航記』
- 作者: イワン.アレクサンドロヴィチ・ゴンチャローフ,高野明,島田陽
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2008/07/10
- メディア: 文庫
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長崎上陸の章では、ロシア人ならではの観察力・分析力が、あますところなく発揮されている。登場人物もみな印象的で、どこかしら小説っぽい。外交というのは「おもてなし」の仕合い、というのが、よくわかる。日露外交史の、こんな最初の頃からそうだったなんてね。
とりわけ川路聖謨の存在は強い印象を残す。ロシア船に招かれた日の、彼の日記も引用されているが、水兵らの服装、食事の説明など、ゴンチャローフの着眼点と、驚くほど似通っているのがおもしろい。