『アフリカの日々』

アフリカの日々/やし酒飲み (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 1-8)

アフリカの日々/やし酒飲み (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 1-8)

新年最初の1冊は、イサク・ディネセン『アフリカの日々』でした。透徹として美しく、悲しい。心がぼろぼろと崩れていくような悲しさではないけど……著者の魂があまりに崇高なので、読んでいて悲しくなる。ここに描かれた印象的な人々のスケッチは、すべて彼女自身の横顔のような気がしてくる。

読み終わってから出かけた小旅行の途中で、チリ人とデンマーク人という変わった(?)組み合わせの夫婦と知り合ったので、「デンマークの作家の本を読んだばかりですよ!」と伝えたかったけど……ゆきずりの人と話すには、あまりにも話題がディープ&唐突すぎる気がして、言い控えてしまったのが残念。