チャペック『マサリクとの対話』

マサリクとの対話―哲人大統領の生涯と思想

マサリクとの対話―哲人大統領の生涯と思想

チェコスロヴァキアに民主主義をもたらした初代大統領トマーシュ・マサリクの伝記。子ども時代の描写がすばらしく、カレル・チャペックの児童文学作家的な才能が発揮されてます。後半の宗教や哲学についての話も興味深いし、いろんな示唆に富んでいるのだけど、難しいので面白そうなとこだけ拾い読みした。それだけでも感動的な箇所がいくつもあって……
マサリクという人を知りたくて読んだのに、かえって謎は深まってしまった。前近代的な素朴な魂と理性的な合理主義は、ひとりの人間の中で両立できるのか? また折にふれ読み返したい本です。